西海通信 立教175年9月号 |
育成部長 末永惣一
*親よりこえを頂く*
*親心溢れる言葉を頂戴する*
*自ずと心は感動に勇み立ち感涙に咽ぶ*
「玉勝の会長さんは、思っていること悩み苦しんでいることの三分の一も、皆さんに言ってはいませんよ」
忘れることの出来ないこの言葉は、今は亡き鍋山晴彦先生が、玉勝に巡教の折、お話し下された講話の一節です。昭和四十六年の秋だったと思います。三年前より取り掛かった神殿ふしんが、ようやくの思いで上棟式を済ませ、鎮座奉告祭まで二ヶ月余りに迫った胸突き八丁の時でした。この一言で、二代会長も、そして私や母も、行き詰まりかけていた心が一気に開き、更には、ようぼく・信者の方々も最後の一踏ん張りが出来たのでした。
お道の伝道史を振り返りますと、既に明治十六年陰暦三月の事として(『稿本天理教教祖伝逸話篇』119「遠方から子供が」)、遠州布教より帰って来られた四名の先生方のお話が載っています。おそらく遠江真明組の草創の頃の事でしょう。それは開拓布教と同時に、既にお道に引き寄せられた方々への修理丹精でもあったと思えるのです。そのご逸話の中では、恙なく御用を果たして、一刻も早く教祖の御元へと空腹も厭わず帰りを急がれる先達の姿と、その人々を限りない親心一杯にお待ち下さる教祖のお姿が誌されています。
巡教とは、まず巡教員自らが親の思いに真先に応えさせて頂き、それを出来得る限り誤りなく先様へとお伝えする、極めて大切な御用であります。
大教会では永年に亘り、恒例の活動として二月と九月に一斉巡教が実施されて来ました。申すまでもなく、二月は、新年を迎えての真柱様の年頭のお言葉、そして春季大祭に於けるお言葉を頂戴しての巡教であります。九月は、過ぐる半年余りの活動を振り返り、残された月日をより有意義に勤めるためであります。
此度の九月巡教は、従来と異なり、主として、大教会准員に加え、教会長として年限の浅い方やその御夫人方、四十名余りが御命を頂かれました。その意は、務めさせて頂く巡教員には、より一層親の思いに応えさせて頂く心を育てて貰うことであり、お受け下さる教会は、巡教の形を整えるだけではなく、親の理を重く受け留めさせて頂く心作りのためであります。
更に大切なことは、この巡教を通して、務めさせて頂く者も受けさせて頂く方々も、共々に勇み立ち、一手一つの心で、西海大教会創立百二十周年を真に我が事として、その実動を展開するということであります。
教祖は巡教に出発する者の心構えとして、「十分まんぞくをあたへる、いさんでたつ、いさんではたらく、……子を育てる理をもって心おきなうたつがよい」(おさしづ M24・6・4)と、力強く後押しして下さっています。
そして、「何でも親という理戴くなら、いつも晴天と諭し置こう」(おさしづ M28・10・24)と御教示下さいますように、西海はその創立当初より続くこの巡教を通して、様々な苦労艱難の道を乗り越えて来られ、今日の理の弥栄を頂戴されているのであります。
まさしく、巡教は「親の理を戴く最良の旬」であります。
●大教会創立120周年に向けて (16)
布教部では三年後に迎える創立120周年に向けて、毎月記事を掲載いたします。感謝の心と信仰の喜びを培い、報恩へと繋げていくことの一助となれたら幸いです。日々のにをいがけ・おたすけ活動へ精一杯、声援を送らせていただきます。
◎〜陽気ぐらし講座は繁栄の元〜 布教部長永嶌洋三郎
「大教会創立百二十周年 活動方針」の中に「陽気ぐらし講座を開催し、初席者をお与え頂きましょう」とあります。今は正に別席団参の旬、にをいがけ強調月間の旬であります。
あるとき他の宗教を信仰している友人から電話がありました。天理教の年配のご婦人がパンフレットを持って、ナントカと言う講座を開くので来ませんかとのことでした。何度も何度も訪ねて来るので「天理教の話を聞くのか」と尋ねると「話をする人は天理教の人ですが、宗教の話はしません」とご婦人が勧めるが、どうしたものかと相談を受けましたので、私からも「是非一度話を聞いてくれ」と頭を下げたのでした。
それからまもなくして「行って来たよ」と連絡。明るい声で「よかった。中でも夫婦の話がよかった。天と地、火と水に例えた話はすごく分かりやすかった。お前が言うように抵抗はなかったよ。今度はカミさんも連れて行くよ」とのことでした。
私も昨年は二十五会場で陽気ぐらし講座の講師をつとめさせて頂きましたが、その中で特に印象に残った話があります。数年前に無担任教会復興の御命を受け、ある支部に赴任して来た若い会長さんの話です。勇み心を持って、毎日百軒の戸別訪問をしていたそうでありますが、知らない土地のためか、誰ひとりとして話を聞いて下さらず、途方に暮れていたそうです。そんな矢先、陽気ぐらし講座開催のお誘いがあり、「藁にも縋る」思いで一会場を受け持つことにしました。会長さんは開催会場である教会に足を運んで頂くため、考えに考え抜いたパンフレットを作り、それを持って開催の当日まで駆け巡ったそうです。その結果、十五名も出席者をお与え頂いたのです。
自分自身が恵まれない家庭環境で育った経験から「家庭の幸せ」をテーマにして頂くよう、講師の先生にお願いされたそうでありますが、教語は一切使われず、優しく分かりやすくお話下さったので、天理教に対するイメージが大層よくなり、若い会長さんも少しずつ地域から受け入れられるようになったのでした。
当初の戸別訪問で落ち込んでしまった会長さんも、陽気ぐらし講座ではハードルが下がったのか、地域の方々から受け入れられ、息を吹き返しました。
陽気ぐらし講座の効用を実感し、二回目の開催では二十三名を集め、昨年私が講師で行かせて頂いたときには三十二名の顔が教会にありました。そしてその中から十二名のようぼくが誕生したとのことです。
布教に燃える本人と、親(ぢば)の声に沿う通り方が合い重なって、大きな御守護を頂く元になったと思いました。
過去に私が講師をつとめたときの、感想がありますので、一部紹介させて頂きます。「会長と私(後継者)の二人しかいない教会で二十四名という人数を、初めて御守護頂きました。まことに結構な講座を聞かせて頂きましてありがとうございました」(山口教区宇部支部)、「陽気ぐらし講座を開催させて頂き、これから地域に根付く教会になれるのではないかと感じました。これからも講座を通してにをいがけが活きると確信致しました」(大阪教区八尾支部)。
このような感想を聞かせて頂くと、陽気ぐらし講座は布教活動の促進剤とさせて頂くには一番取り組みやすく、未信者との接点が容易になり大いに布教活動の後押しができるものであると確信いたします。
どうぞ教会に限らず各ようぼく家庭においても、是非陽気ぐらし講座を開催し、初席者をお与え頂きましょう。
●婦人会西海支部 婦人会布教合宿 香会場
西玄海委員部長 花田緑子
婦人会西海支部の布教合宿は、立教百六十六年『第二十六回・委員部長講習会』の講話で、小原満子先生のお話を聞かせて頂き、「西海でも」と、翌年から部内教会を布教の拠点として開始され、今年で八年目を迎えました。また、年間計画で年に六〜八ヶ所の会場教会を選定し、委員部長は日程等で都合の良い月に、最低一回は参加することを取り決め合いました。
今回は東京の香分教会へ、九州から五名が参加しました。八月二十六日の夕方、香分教会長さんの運転で一路東京へ出発。高速道路の渋滞を避けるためドライブインで休息を取りながらの旅でしたが、教会へ到着したのは翌二十七日の午前一時過ぎでした。
翌朝、教会周辺で布教活動。布教の家東京寮で布教中の息子(四男)政彦も応援に駆けつけ、戸別訪問を行いました。空丸と空幸の委員部長さんも加わって、目黒の繁華街での神名流しを行いました。また、夕食は信者さんのご好意により、豪華なお弁当を頂戴しながらの懇親会、長旅の疲れを忘れさせる楽しいひと時を過ごしました。
二日目の午前中は、熊木弘子さんより精神疾患に関するお話を聴かせて頂き、おたすけの際の留意点など質疑応答形式のねりあいが行われ、活発な意見が出るなど有意義な時間を過ごしました。午後からは浅草に出向き、東京スカイツリーの麓にて、リーフレットを行き交う人々へ配布しました。
布教合宿の目的は、「会場教会と参加した委員部長や会員の方々が共に勇み、布教が常時活動として定着するように」との思いから始まったものです。今回、九州から参加した私達は勿論のことですが、特に東京ブロックの方々から「神名流しに感激しました。自教会でも実践したい」との熱い感想が聞かれました。
大教会では、創立百二十周年記念祭を二年後に迎える活動の一環として、今月は『別席団参』が実施されます。私達の布教活動が直ちに数字に表れないかも知れませんが、日々の生活の中から地道に活動を続け、しっかり人だすけの種を撒いておくことが大切であると感じられた布教合宿でした。
●第21回 筑紫大教会徒歩参拝
九月九日(日)、恒例の筑紫徒歩参拝に参加しました。曇りがちのお天気でしたが、総勢三十名の参加者は元気に勇んで歩かせて頂きました。「東郷時代は月次祭のお下りを大八車に乗せ、筑紫大教会まで歩いた」とのお話が、神名を流しながらの八時間、先輩達のご苦労が実感できました。ありがとうございました。
●〜ぢばへ真実の伏せ込み〜 青年会ひのきしん隊
『西海分会は9月「おやさとふしん青年会ひのきしん隊」に20名一個班で入隊いたしました! OBの方々と共に「ぢば」で尊い伏せ込みの汗を流させていただきました。また、期間中は西海部内の皆様方に沢山の差し入れを頂きまして、誠に有難うございます。隊員一同の勇み心の源になりました!
事故や怪我も無く無事、隊期を終えることが出来ました。ありがとうございました。』 隊員 池田成正
●女子青年 活動報告
8月22日(水)親睦会、8月30日(木)阿部貴代乃先生をお迎えして着付け勉強会、9月16日(日)に鍋山恭子先生に御指導頂き鳴り物勉強会を開催させていただきました。
来年おぢばにて開催される女子青年大会に向かって今後も活動を通して皆さんと繋がり合い、盛り上がっていこうと思いますので大勢のご参加お待ちしてます!! by
女子青年一同
●『余談ですけど…』其の七拾参
▼暑さ寒さも彼岸までとはよくいったものだ。猛暑も影を潜め長月らしい気候、ススキが似合う季節になってきた。そしてこの月は、秋の霊祭が執り行なわれる月でもある
▼私は今月、大教会長様の親心を頂き部内一斉巡教の巡教員としてつとめさせて頂いた。その内の一箇所は教友のところだった
▼彼は二年前の8月19日、憩の家で出直した。皆が惜しむ辛い別れだった。彼が入院する数時間前、東境内地で偶然に痩せ細った彼に出会った。私は時同じくして教養掛をつとめていた。修養科生を見送った後に神殿でお願いづとめ、その足でおさづけの取り次ぎに通い、教理の話などして帰るのが日課になった
▼彼との付き合いは長い。よく酒も飲んだ。飲んでも神様の話ばかり。受け取り方の違いで口論になったこともあった。でも気付けばまた一緒にいた。いつだったか、彼は上級に参拝したついでに我が教会にも顔を出してくれた。アジのみりん干しを下げて。私は嬉しくて嬉しくて、無理やり引き止めてよく飲んだ。上級の会長さんから「あまり飲ませたら、いかんばい」とお叱りを受けたこともしばしばあった
▼教養掛を終える頃、突然私の手を握り「ありがとう。今まで本当にありがとう」と号泣した彼。自分の出直しを察していたのだろうか。あの手のぬくもりが今も残る
▼巡教には前日から行かせていただいた。夕食に呼ばれ、向かうと私の隣に彼の席も準備されていた。彼のコップに並々と焼酎を注ぐ。彼と焼酎を酌み交わしながら思い出話に花が咲いた。彼の笑い声が聞こえてくるようなひと時だった。巡教の帰りには、みりん干しと焼酎を頂いた
▼今夜はみりん干しをつまみに晩酌だ。親神様の懐に抱きしめられている彼に声をかけた。「俺はまだそっちにはいかんけど、そのうち行くけん、そん時は親神様に宜しく頼んでくれるかな?そして、また生まれ変わったら一杯飲もうよ」